ウィーン旅行記③

8/2

時差ボケ。

寝たり起きたりを繰り返し、少し早めに起き出す。

10時にオープンする美術史美術館に行くつもりだが、その前に旧市街をぶらぶらしたいと、

8時ごろにはホテルを出ることに。

朝食はビュッフェ形式で、品数は多い。

異常なまでに素早く皿を下げられるのは気になるけど、それ以外のサービスに不満は無い。

地下鉄でシュテファン大聖堂まで行き見学。

シュテファン大聖堂


ペスト記念柱を探し、エンゲル薬局の写真を撮り、ペーター教会に。

小さめで統一感のある内部のペーター教会のほうが気に入った。

エンゲル薬局(オットーヴァグナーの弟子、オスカー・ミラケによる)
シャネルの広告と彫刻がマッチして美しい
ロースハウス。現在は銀行。
ミヒャエル広場

パレ・パラヴィチー二。「鑑定士と顔のない依頼人」でも出てきました。

ペーター教会





ミヒャエル広場からアルベルティーナ、シュターツオーパーのあたりを通って美術史美術館へ。

美術館の中では誤って順路を反対に回っていたのだが、開館すぐにブリューゲルの間に入ったおかげでブリューゲルを占有することができた。

それからクラナッハ、ラファエロの聖母などを堪能。

ノーマークだったカニャッチの「クレオパトラの死」があったことと、ティントレットの「スザンナの沐浴」が思っていたよりも素晴らしかったことにテンションがMAX。

他にも、何度か神戸にいたはずなのに観てなかったフェルメールも、非常に素晴らしかった。

特筆すべきは彫刻で、なぜか美術史美術館の彫刻の多くは非常に小さく繊細なものが多い。

芸術品というより装飾品に近いものだったと思われるのだが、それは応用美術の街ウィーンを象徴しているように感じられた。

また、ルーブルだとルーベンスの「マリー・メディシスの生涯」や、ダヴィッドの「ナポレオンの戴冠」は非常に大きく壮麗で美しいものだが、ベラスケスの描くハプスブルグ家は醜く、没落と近親婚のいびつさを目の当たりにさせられる。美術館内でもあまり目立たない狭く暗い場所に置かれているので本当に驚いた。

言わずと知れたブリューゲルのバベルの塔。こちらは今年来日するものと違います(来日するのはオランダ・ボイマンス美術館のもの)。ウィーンのバベルの塔の方が遥かに良いです。
草原の聖母

クレオパトラの死



美術館のカフェでアイスてんこ盛りのパフェを食べて、アカデミー美術館に移動。

アカデミー美術館、建物は壮麗だがどう見ても大学だった。

雑に貼られた掲示板のポスターなどを横目に、本当にここにボッシュの大作があるのかという不安を感じながら誰もいない廊下を順路を頼りに進んでいく。

さると突然、真新しいトイレとカウンターらしきものが出現。

ここでは無理だろうなと思いながら財布を出しながら「Can I..」と言いかけると、受付のおじさんに「Cash Only!」と言われてしまった。

いかにも教授風の男性にからかわれている自分(多分、子供だと思われた)。

残り少ない現金で入館料を払いチケットを受け取ると、チケットのバーコードで鍵のかかったドアを開けるように促された。ここだけ驚きの最新設備。

廊下と教室を展示室として利用しているだけで、やっぱり大学には変わりがない。

ルーベンスのバッカスとかクラナッハとか、そこそこの作品はあったけれども、とりあえずボッシュの最後の審判に集中。

日本では観られないものなので、じっくり観すぎて警備員に不審がられてしまった。

ちなみに作品の写真を撮ろうとして怒られた夫。5ユーロで写真撮影OKだそうです。(撮影してくれば良かった・・・)


それから分離派会館に行き、ベートーヴェンフリーズと対面。

実は複製は2、3度見ており、有り難味は無かった。

個人的にはモナリザに会ったときと同じくらい有り難味がなかった。

建物は本当に素晴らしかった。夢にまでみた分離派会館。






そこからオペラ座横のタクシー乗り場に行き、タクシーを拾いオットーヴァグナーの傑作、アム・シュタインホフ教会に楽々到着するはずだった・・・・

が。

タクシーの運転手が場所を知らなかったようで、全く違う場所で降ろされてしまう。

iPhoneで確認すると3キロほど。教会の公開時間は16時~17時。

15時半なので、なんとか間に合うかもしれないと歩くことに。

気軽に歩き始めたが郊外の上り坂、全くたどり着く気がしない。

iPhoneに導かれるままに歩いていくと、どんどん閑散とした住宅街に入っていく。

とても長閑なので危険は感じないが、日本人夫婦がウィーンで殺されるとか新聞に載りたくないなとか、そのときは「あの」タクシー運転手がテレビに出たりするのだろうか・・などと考えながら坂をのぼっていく。

そして何より暑い。

夫と喧嘩しながら歩いていると水撒きしてた住人に驚きのまなざしで見つめられた。

そりゃ、こんな郊外に観光客歩いてたらびっくりするよな。すみませんでした。

なんとか大通りに出ると、教会行きのバスに乗れることがわかったので丁度来たバスに乗車。

そこでお金の払い方がわからないことに気づく。

バスの運転手は受け取ってくれない。結局、無賃乗車に。

(多分、先に駅などでチケットを買っておく。停留所に券売機は無い。勿論、バスの中でチェックも無い。更に言うと元々無賃乗車が多いと思う)

なんとか教会のある病院の前でバスから降りたが、そこから教会までが長い!

なんとか30分ほど見学できたが、もう本当にラッキーだった。それはそれは素晴らしく美しい教会を見ることが出来て本当に良かった。


ただ、土日は人が少ないとは言え観光地では無く、精神病院の中であることを忘れてはいけない場所であるのは確かだ。

病院の敷地内の坂を上る途中でも、街中では見かけないような深刻な障害を持っていると思われる方がいたし、

帰りのバス停では病院帰りと思われる若い男性に延々と鼻を鳴らされた。

当然だが、ここでは私達のほうが他人にストレスを与える存在なのだから、何を思われても仕方ない。


オットー・ヴァグナー病院
アム・シュタインホフ教会


疲れきったので、西駅に戻ってテイクアウトのピザを買って帰ることに。

明日の朝は6時半発の電車に乗るので、アンカーでサンドイッチも購入。

ホテルでの記憶は無い。多分、食べてシャワーを浴び、翌日の準備をして寝た。

ピザは2.5ユーロで、まぁまぁだった。



アム・シュタインホフに行く方へ。
土曜の15:00から17:00と日曜の12:00から16:00で見学可能。土曜15:00からはガイドツアー、16:00からは個人見学となります。

タクシーの運転手さんには「Otto Wagner Spital」もしくは「Sozialmedizinisches Zentrum BaumgartnerHöche Otto Wagner Spital」と伝えたほうが良いと思います。
バスで行くことも可能です。
帰りはバス停が目の前なので、バスが便利です。
ユーゲントシュティールの傑作、過去にみた建物のなかでも相当美しいものの一つです。大変でしたが、行って良かったです。
また病院敷地内にはヒトラーのT4プログラムの追悼モニュメントもあるそうなので、これから行かれる方は是非そちらも。

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